ヒアルロン酸ってどんな効果があるの?その役割と摂り方のコツとは

美容感度の高い方にとっては常識、そうでない方にとっても一度は耳にしたことがあるであろう、保湿成分「ヒアルロン酸」。化粧品やサプリメントなどに多く利用されている成分ですが、果たしてなぜこんなに人気なのでしょうか?また、その具体的な役割と効果についても気になるところですよね。

この記事では、そんなヒアルロン酸の働きと効果、摂取する際のコツをお伝えしていきます。

 

ヒアルロン酸ってどんな成分?

高い保水力を持つヒアルロン酸

まず、そもそもヒアルロン酸とはどのような成分なのかということについてお話していきます。

ヒアルロン酸は高い保水力を持つ成分で、肌の表皮、真皮どちらにも存在しています。実は目やおへそ、関節などにも存在することはご存知でしたか?

その特徴は、なんといっても保水力と「ネバネバ感」です。ヒアルロン酸はグルコサミノグリカンの1種で、アミノ酸と糖分が何重にも重なって出来ている成分。「ムコ多糖類」とも呼ばれているのですが、この「ムコ」とはラテン語で動物の粘液を意味し、ヒアルロン酸のネバネバした特徴がその呼び名の由来になっています。

 

そのネバネバの特性を活用し、眼球の中にある組織同士をくっつけたり、赤ちゃんのへその緒が捻じれてしまわないよう、へその緒の中にもヒアルロン酸はたっぷりと入っています。

 

ヒアルロン酸の歴史について

ヒアルロン酸が発見されたのは、1934年のこと。アメリカのコロンビア大学教授、カールマイヤー博士により、牛の目から取り出され発見されたのが始まりです。

その後ヒアルロン酸についての研究は進み、1970年あたりから医薬品にも活用されるようになりました。

1987年に、世界で初めてヒアルロン酸が主成分の医薬品が登場してからは、現在までに医療・美容などの業界で研究が続けられ、多くの商品に活用されています。

 

医療にも使われるヒアルロン酸

ヒアルロン酸が医療にも使用されていることはお話しましたが、その具体的な方法としては、

・関節機能改善薬

・眼科手術補助剤

・内視鏡用粘膜下注入材

・点眼薬

など多くの用途で使用されています。

また、美容医療でも使われているヒアルロン酸は、注射としても処方されています。ヒアルロン酸注射には固いものと柔らかいものがあり、固いものは眉間のしわやたるみ、ほうれい線、唇などに活用され、柔らかいものは目の下、小じわなど繊細な部分に使われます。

 

ヒアルロン酸の種類

ヒアルロン酸ナトリウム

一般的なヒアルロン酸はこのヒアルロン酸ナトリウムのことを指します。分子が大きく、角質層よりも深くまでは浸透しないのが特徴で、肌表面のバリア機能を支える働きをします。

アセチル化ヒアルロン酸

スーパーヒアルロン酸と呼ばれるのが、このアセチル化ヒアルロン酸。ヒアルロン酸と油性の成分をくっつけたもので、角質層まで馴染むように作られています。ヒアルロン酸ナトリウムに比べサラサラとしており、分子の大きさも10分の1以下と小さめです。

加水分解ヒアルロン酸

浸透型ヒアルロン酸と呼ばれるもので、ヒアルロン酸に水分を加えて小さくしたもののことです。分子がかなり小さいため、肌にしっかりと浸透し、角質層にも届き保水してくれます。

 

ヒアルロン酸に期待できる効果

肌の潤いを保つ

ヒアルロン酸は高い保水力を持つ成分で、皮膚の細胞間を埋める役割を果たしています。ヒアルロン酸は肌の表皮にも真皮にも存在していて、肌に必要な水分を抱き込んでくれるので、肌の保湿にとっては非常に重要な成分です。

 

エイジングケア

シワやほうれい線などのエイジングサインの原因に、肌の弾力の低下と乾燥が挙げられます。ヒアルロン酸はこのどちらをも担う成分ですので、ヒアルロン酸がたっぷりとある肌はハリがあり、潤った状態が続きます。

 

赤ちゃんの肌はぷるぷるしていて、ハリも弾力もありますよね。実は、赤ちゃんの頃のヒアルロン酸の体内含有量はピークなのです。これが加齢と共にどんどん減っていくことで、肌の潤いが失われていきます。

 

ヒアルロン酸が減ると起こること

ヒアルロン酸は20歳をピークに年々減少していく成分です。ヒアルロン酸が減ることで、下記のようなデメリットが考えられます。

 

【ヒアルロン酸減少によるデメリット】

・肌が乾燥する

・肌のハリ、弾力が無くなる

・関節、目の機能低下

 

肌への美容効果だけでなく、目や関節の機能も担うヒアルロン酸は、減少することによりこれらの機能低下にも繋がります。

ヒアルロン酸の減少を防ぐためには、バランスの取れた食事をすること、整った生活習慣を送ることが重要。なぜかというと、上記に気を付けて健康な生活を送ることにより、ヒアルロン酸の親である線維芽細胞という細胞が活性化されるためです。線維芽細胞が元気になれば、ヒアルロン酸だけでなくコラーゲンやエラスチンなどの保湿成分も生成され、美容効果が期待できます。

 

ヒアルロン酸はどうやって摂る?

化粧品

ヒアルロン酸と聞いてまず浮かぶのが化粧品。ヒアルロン酸化粧品は多くありますが、選ぶ際にはコツがあります。

 

【ヒアルロン酸配合化粧品を選ぶ際のコツ】

・信頼できるメーカーの商品を選ぶ

・ヒアルロン酸だけでなく、エラスチンやコラーゲンなど他の成分も同時に摂取する

・続けやすい価格帯のものを選ぶ

 

まず、重要なのが、その化粧品が信頼できるメーカーの作ったものなのか?ということです。これはなぜかというと、一言にヒアルロン酸といっても種類は多く、品質にも差があります。知識のない一般人にとっては、原料については分かりませんし、製造過程も見られないため、信頼できる会社が作っていることは大切なのです。

 

また、ヒアルロン酸配合化粧品がおすすめなのは、乾燥肌の方。保水力がとにかく高いヒアルロン酸は、肌に不足している水分を補う役割を果たします。

肌にハリが減っておりたるみが気になる方にも、もちろんおすすめですよ。

 

サプリメント

ヒアルロン酸はサプリメントによる経口摂取も可能な成分です。ヒアルロン酸サプリメントには、ビタミンやセラミドなどの成分配合されているものや、粉末状のもの、ジェル状のものがあります。おすすめのヒアルロン酸の種類は「低分子ヒアルロン酸」で、このヒアルロン酸は分子が小さいために吸収されやすいという特徴があります。

また、コラーゲンやビタミンと一緒に摂取すると美容への相乗効果が期待できます。

 

注射

ほうれい線などのエイジングサインが気になる場合、化粧品だけでは解決することは難しく、直接ヒアルロン酸を注入する「ヒアルロン酸注射」が効果的です。ヒアルロン酸注射とは、その名の通り肌に直接ヒアルロン酸を注射する方法のこと。ただし、効果には永続性はなく、持続期間は3ヶ月~1年ほどです。

ヒアルロン酸は基本的にはアレルギーの心配はない成分ではありますが、まれに副作用が起こる場合や、医師の技術レベルにより失敗の可能性もゼロではありません。ヒアルロン酸注射を考えている場合は、このようなリスクも理解しておきましょう。

 

まとめ

肌のコンディションだけでなく、目や関節にとっても必要不可欠な存在であるヒアルロン酸は、私たちの身体にとって重要な保水成分です。

その摂取方法には、化粧品、サプリメント、注射などがあげられ、コラーゲンやビタミンCなどの美容成分と一緒に摂取することで、より高い美容効果を得ることが出来ます。

肌はもちろん、健やかな生活を送るという目的でも、ヒアルロン酸を積極的に摂っていくことは大切です。身体にとって必要なヒアルロン酸を保ち、美しさの土台作りに励んでみてはいかがでしょうか?